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酒上不埒 三日(置き)坊主の日記

「浜松まつり」ではなく凧揚祭を愛し、あちこちのお祭りも愛する東田組HP管理人の日記
季節はずれながら……
 その昔(と言っても15年くらい昔の話だから、そんな大昔じゃないけれど)、日本民俗学会の大会が北海道で行われた時、民俗学の世界にある種の感慨が漏れたそうな。
 曰く、「アイヌやニヴフなどを除けば本来的な意味での『民俗』が成立し得ない北海道で、ついに民俗学会の大会が開かれるようになったか」と。
 なるほど、言われてみれば、「入植者たちの寄り合い所帯」である北海道において、明治以前からの民俗は存在するはずもありません。もちろんだからと言って北海道が劣っているわけでもありませんが。

 さて、その北海道で最も大きなイベントというと、「YOSAKOIソーラン」なわけですが、これについて思うところを。

 聞き及べば、ずいぶんと生臭い風聞もあるようです。
 崇拝に近い主催者礼賛・よさこい節ともソーラン節ともかけ離れて得手勝手なBGMがはびこる現状・「阿波踊りのコピーである高知のよさこい祭りの、さらにちゃちなコピー」などという言葉・最優秀チームの選出にまつわる組織票のうわさ・拝金主義とさえ揶揄される高額な参加料とグッズのパテント料・そして不透明さが指摘される会計の問題……

 しかしね、

 思うんですけれどね。この「YOSAKOIソーラン」は「寄り合い所帯」の北海道だからこそ生まれ得たものだと思うんですよ。民俗学では確かに扱いにくいですが、共通する土着文化をほとんど持たず、しかも共に生きる北海道民だからこそ考え出したものだし成立すると思うんですよ。

 そして、
 「地元の伝統行事とは相容れない」「地元の伝統文化を破壊しかねない」という考え方とは裏腹に、都市人口が激しく流動し、「日本全国どこの町も没個性的な寄り合い所帯」になっている現代、北海道から内地へ流入してしまうものなのかもしれません。
 無批判に流入を許してしまうと、今度は内地の土着の文化がYOSAKOIとごっちゃになって破壊されたり変性させられたりしかねないものなのかもしれません。伝統を守る側としては気をつけたいところです。


 浜松も騒音の問題や金の問題など、考えるべき問題は山ほどあります。YOSAKOIと共通する問題も沢山あるわけですが、他の地域とのコンタミネート(混濁)という点は、特に戒めたいものです。
 豪快な「戻せ」が見ものの天竜(二俣も山東も、夏場にあれだけ屋台を爆走させると言うのがすごい)。
 人形四輪屋台の歴史を持つ旧浜北(特に宮口)。
 大太鼓の伝統を持つ入野・舞阪(入野と舞阪は大太鼓でもまったく違う美意識を持っているのがすごい)
 自分の祭りの本来の姿を愛しつつ、各地の伝統を尊重し、守ってもらうことが、真の「祭り愛」だと思うのです。
by talisker1969 | 2006-09-01 23:28 | その他祭典
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by talisker1969
お断り
 このページは、東田組の公式見解ではなく、あくまでも個人ブログです。また、単なる凧そのものや、「浜松まつり」と区別して、私達の凧揚祭を「凧」とカッコ付きにしてあります。「おまつり広場」だの「吹奏楽パレード」だの「日本民謡総おどり」だのを含んだ行政主導のイベントについて、およびほかの人の引用部分は「浜松まつり」と表記してあります。あくまでも旧来続いてきた凧合戦と屋台を焦点に据えていますので、それを頭に入れてこの日記をお読みください。
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